1993年4月20日発売
「鈴がいなければ生きていけない」という、実業家の達治。「僕が倖せをあげる」という、大学生の智彦。宝石デザイナーの有森鈴、28歳は、愛し方の違う二人の男のあいだで悩んでいた。達治は鈴に耐える恋愛を求め、智彦は鈴にストレートに気持ちをぶつけてくる。愛されていることはわかる-。でも時々、強烈に淋しさを感じるのは、なぜなの?達治と智彦。鈴が選んだ愛は…。
金と銀のふたつの月が交わる地を、金と銀に輝くふたりの若者が、軽やかに旅する。かつてこの地には、第三の月があったという-。ボルデの町の酒場で酔いつぶれたグリフォンたちを残して、リューとエリアードは、再び旅に出た。謎めいた一角獣探索の船旅から脱け出す絶好の機会だったが、いつしかふたりの行く手には、不気味な霧がたちこめていた…。あやうく、あやしい絆で結ばれる、金と銀のふたりの冒険譚第四幕。
とてつもない妖と対峙した泰麒は、身動もせず、その双眸を睨み続けた。長い時間が過ぎ、やがて発した言葉は「使令に下れ」。異界へ連れてこられても、転変もできず、使令も持たなかった泰麒は、このとき、まさに己れが「麒麟」であることを悟った。しかし、この方こそ私がお仕えする「ただひとり」の王と信じる驍宗を前に、泰麒には未だ、天啓はないまま。ついに、幼い神獣が王を選ぶー。故郷を動かす決断の瞬間が来た。
クシアラータ王都を、紫水晶の瞳の美しい魔王が統治していた時代。邪悪なる賢者エフタルは、紅蓮の瞳を持つ勇者ルカナをかつぎ、魔王弑逆を画策した。エフタルは魔族の弱点を知る唯一の人間。静謐の魔族の世に暗雲が垂れ込める。後にクシアラータ大戦役と呼ばれる、悲劇の戦いが、今、始まったのだ…。砂漠の王国を舞台に織りなされる、運命の物語外伝。ルカナ&エフタル編。
「和彦?私よ、早く開けて」インターフォン越しに響いてくる、聞き覚えのある声。そのときから、俺の受難の日々が始まった-。俺、三紀。広告代理店に入社してもうすぐ一年。上司にはシゴかれ、再会した元同級生・高岸にはからかわれ、苦労の絶えない毎日だ。そのうえ、赤ちゃん連れのハリケーンまでやってきて、もう、どうにかしてくれよ。『本気で欲しけりゃモノにしろ!』第二弾。
セックスから愛が生まれると錯覚していた真奈美。本当に愛することを知らないうちに、愛を諦めてしまった千加。そして、愛し方も愛され方も知らなくて、セックスでしか気持を表せない純。『LIFE』という喫茶店が3人を結びつけ、思いがけない事件を生む…。シンプル・レイプ-顔見知りによるレイプ-は、男の犯罪?女にも問題があるのか。男と女の関係を強烈に問いかける問題作。