1994年1月発売
あたし、北条遥。パパがニューヨークへ赴任中のため、気ままなひとり暮らしの高校生。こんなあたしが、“運命の出会い”を感じたのは、ある満月の夜のこと。何者かに襲われそうになった、あたしを助けてくれた、狼のマスクの謎の人物に。もう一度、彼に会いたい…。なんて、ロマンチックな気分に浸っていたら、大事件が。パパと再婚したという外人が現われて…。いったい、どうなっているの。
〈恋人たち〉との勝負に勝った。これで、片桐先輩が殺されることはない-。すべてが終わったんだ。…と思いきや、今度は〈月〉に勝負を挑まれるわ、新たなタロットの精霊に襲撃されるわ…。頼子は、片桐先輩との再会に感激している間もなく、またもや精霊たちとの戦いの渦中に巻き込まれていく-。頼子の中学時代の片想いの相手、山根も登場してきて、物語は新展開。
高校の1年生っていうと、もうどんどん自分でなんでも決めて実行に移しちゃうモノなのかしら。あたし、鳥飼更紗の場合は、すべて「お母さまに聞いてから。お母さまの言うとおりに」なんだけど。そんなのは珍しすぎるって、クラスの友達は、笑うんだ。でも、じゃあ“自分で”って、具体的にどうすればいいのかわかんないし。恋だって結婚だって、お母さまの指示どおりにしてたほうが幸せになれるって思いこんでたんだ、けれど…。
「身の危険を感じている。地球に同行してくれないか」-。チジャの手紙はミノルの胸をうった。チジャはミノルの幼友達であり、独立闘争時代の仲間でもあり、そして何よりもその歌声で聴く者の心をとらえる、誰ひとりとして知らぬ者のないスーパー・スターなのだ。ミノルはエリカの皮肉を聞き流して、地球公演に赴くチジャに合流したが、地球では思わぬ誘拐劇が待ち受けていた。
恒星表面にぎりぎりまで自由落下して降下距離を競うサンダイビングは、死と隣り合わせの危険を高度な技術と勇気とで切り抜けるスリルで見る者を魅了したが、同時に賭けの対象としても圧倒的な人気を誇っていた。ダコタの親友で現チャンピオンのルイは、恒星ヒュドラーでおこなわれる選手権試合でも圧勝が予想されていたが、〈カイン結社〉は密かにその魔手をルイに伸ばしていた。