1997年8月5日発売
マーメイド・ぱにっく(4)マーメイド・ぱにっく(4)
あたし、やっぱり竜一が好き。気がついたら、ホントに好きになってたの。でも、竜一は友だちの彼氏。愛を誓いあえる確率0パーセント。なのに「マーメイド伝説」の期限まで、あと2か月もない-。あせるあたしにマーメイドの友だちが、愛を誓いあってくちづけをかわさなくてもいい“もうひとつの方法”があるってことを教えてくれる。でも、その方法って…!?いよいよクライマックス。感動の完結編。
キスが届かないキスが届かない
真っ白な皿の上に、トマトの鮮やかな赤、アスパラのグリーン…。ソースの一滴一滴が心に染み込む。泣きたくなるくらい懐かしくていとおしい味だった。…モデルのような外見の証券アナリスト吉野貴弘は、探し求めていた味にようやく巡りあった。「いったい、どんな人間が作ったんだろう」厨房から出てきた長身の青年を見て、思わず吉野は息を呑んだ。美形、だったのだ。
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