2000年12月20日発売
季節はもう冬を告げているというのに、この日は暖かな好天だった。あまりの気持ちよさに、のんびりベッドでごろごろ過ごすことに決めたのだった。ささやかな、ほんのひととき。リジィオは幸せを満喫していた。つかず離れず、リジィオと旅を共にするシザリオンとスティンが、行方不明になったという知らせが届くまでのーわずかの至福。ああっ、何故に?弟子を自称するシザリオンが、リジィオに黙って受けてしまった依頼。すぐに終わる見込みがはずれ、スティン共々脱出不可能の迷路に彷徨う。表題作『刻の静寂』の他、リジィオの髪の秘密に迫る『虹色の封印』など収録。待望のシリーズ第四弾。
「吉祥天、おまえの力が欲しい!!」飯綱山の事件で数多くの親友を喪った吉祥天子は、心の傷を癒すため、渋谷区道玄坂にある中学へ転校してきた。だが人の気が多く集まる渋谷は、同時に魔物も多く集う地だったのだ!天子の持つ吉祥天の力を求め、数々の妖たちが道玄坂へとやってくる。そいつらは、封印されていた鬼、桃太郎、そして、かぐや姫…。次々と襲いくる妖たちから天子を守るため、強力な陰陽力を持つ少女遊乱人が、大活躍。陰陽探偵としての力を武器に、おとぎ話に秘められた謎に挑む!あかほりさとるが独自の解釈を加え、日本古来のおとぎ話を現代風にアレンジ。新感覚伝奇アクション第2弾。
焼っけったかな、焼っけったかな、お昼ごはんー至福のときをぶち壊す爆音あたりに響かせて、現れいでるは魔道士姿のおっちゃんと黒装束の暗殺者!今や遅し。満ちる殺気と辺りに漂う緊張感に背を向けて、お魚さんが焼き上がるのを待つリナ=インバースを巻き込み、生殺与奪の陰謀劇は始まった!?世界を制するといわれる『煙の出ない魚焼き網』を狙い、暗殺者が、バカ笑い女がリナと魔道士のおっちゃんを襲う!果たして、この魔法の道具をリナは守ることができるのかっ?ってゆーか、ホントに『魚焼き網』で世界がこの手にっ?いろんな意味で謎まみれな表題作『スクランブル・グリル』に、『呪術士の森』書き下ろし新作『ヒゲ、ふたたび』他を収録した新作短編集。