2000年4月発売
傘もささずに立ちつくす少女をみかねて、シャノンは傘を手渡した。どこにでもある、ごく普通の小さな出会い。それで終わるはずだった。だがー。何を思ったか、少女はシャノンの後をついてきてしまった。シャノンと同じ黒髪黒瞳を持つ少女。自分よりも“本当の妹”らしい少女。彼女の出現に、パシフィカの心は乱れる。ささいな出来事で狂いはじめてゆく。姉兄妹の心の歯車。どんなことも互いの絆で乗り越えてきたパシフィカたちを、今最大のピンチが襲う!!榊一郎のハートフルファンタジー第5弾。魂を震わせて、またまた登場。
『僕の血を吸わないで』とならび第4回電撃ゲーム小説大賞選考会で高い評価を受けた、阿智太郎の原点ともいえる幻の作品がついに文庫化!警官である主人公北見春晶が、ふとした拍子に出会った保母さん、粟倉桜に恋をすることから物語は始まる。トンチンカンな夢を見つつ、桜のいる保育園へと向かう春晶。しかしその道すがら春晶が遭遇したのは、猟銃を手にした指名手配中の凶悪犯、大田権蔵であった。あっけなく凶弾に倒れる春晶。「おれはこんなところで死にたくない、死ぬわけにはいかないんだ!」と、春晶が次に目を覚ましたとき、なんと春晶は九官鳥になっていたのだった。
北九州市の門司港で探偵業を営む御倉学に、県内有数の学校法人の理事長から依頼があった。理事でもある娘の運転する車が、ホストを乗せホテルから出てきたところ、若者を撥ねてしまったというのだ。教育関係者にとって命とりになりかねないスキャンダルを葬り去るために、その若者-「当たり屋」の弱みをつかんでくれという。同じ頃、北九州市に本社を置く食品会社へ脅迫文が送られ、カップ麺に毒物が混入されるという事件が世間を震撼させていた。御倉は「当たり屋」の部屋から、脅迫文の下書きを発見し、調査は思わぬ方向へと進んでいく…!?新星が放つ傑作書き下ろしサスペンス。