2001年5月31日発売
昔、火星のあった場所昔、火星のあった場所
この世界には、人間とタヌキという相反する二つの勢力が存在している…。火星開発会社の新入社員のぼくには、ようやくそれがわかってきた。とうに分解して、無くなってしまったらしい火星の奪還をめぐって、利害が対立するふたつの会社が、戦いを続けさせていた。そして、その人間とタヌキとの戦いによってこそ、世界は成立している-そういうことなのだ、たぶん。ほろにがくって、なつかしい未来。すこし不思議で、とっても変な北野勇作ワールドの原点!第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
モザイク(1)モザイク(1)
学校なんか、家族なんか、世界なんか、壊れてしまえばいいって思ったこと、あるだろう?ぼくは、壊してしまったんだ、実際に-。廃墟も同然に崩壊した地区。しかし国道をはさんだ反対側には、もとのままの街が無傷で残る。頻発する謎の地震-M震でモザイク状に崩壊した東京をさまよい歩く少年、リュウ。野球帽とサングラスで素顔を隠したリュウはやがて、M震で家族を亡くした少年たちのグループに合流する。生き残るための戦いと逃亡の日々の中、リュウの奇妙な告白に、グループのリーダー大輔は…。
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