2017年12月28日発売
ときは平安、一条帝の御代。姫として生きれば国を傾けてしまう運命をもつ花房は、伯父の藤原道長にも性別を男と偽ったまま、宮廷へ出仕している。見目よく家柄も極上の婿がねに周囲は色めき立つが、花房が女であることを知るごく一部の者たちはヒヤヒヤするばかり。そんなある日、長く宇治に隠棲していた先帝の弟君・光輝親王が何故か花房に近づいてきて…!?百花繚乱の平安絵巻、風雲急を告げる第二弾!!
妊娠中の女王アウラに『治癒術士』を呼ぶため、再び双王国へ『瞬間移動』する善治郎。さらに、フレア姫も長期航行を補助する魔道具を求め、双王国へやってくる。双王国に到着した善治郎を最初に待っていたのは、フランチェスコ王子だった。カープァ王国で作製された『ビー玉』を渡され、驚愕するフランチェスコ王子。だが、同時にフランチェスコ王子も、ある構想を打ち明け、善治郎を驚愕させた。その後、聖白宮でのベネディクト法王との面談は問題なく終わり、約束通り『治癒術士』であるイザベッラ王女がカープァ王国に来ることが決定。数日後、フレア姫と一緒に善治郎は、魔道具購入の交渉に赴くのだが…。
観光目的で入国したガルゲン帝国。目指すは帝都ガルゲニア。旅路の最後の休息地として立ち寄ったファムテームで、太一たちは四人のエルフに出会う。エルフたちは、この地で頻発する地震を止めるためにやってきて、太一たちにその手助けをしてほしいと依頼をしてきた。地震の原因は、なんと…。
「湖の貴婦人」によって、精霊の湖に辿り着いたレオノーラとビアンカ。神聖な森を踏み荒らした学生に怒りを抱いていると思ったビアンカはなんとか詫びて、湖の貴婦人の怒りをとこうとする。古代エランド語が得意ではないビアンカは、レオノーラに通訳を頼み、湖の貴婦人に慈悲を乞う。しかし守銭奴レオノーラは、この機会に陣ビジネスの契約を取り付けようと思っていた。ビアンカの謝罪を超解釈し、勝手に取り引きを持ちかけるレオノーラ。対する湖の精霊は「湖の洗礼」と称し、二人を再び水に呑み込んでしまうのだがー。
村人の少年フォンシエは、カヤラ領を乗っ取っていた死霊の魔王を打ち倒し、幼馴染みの勇者の少女フィーリティアと平仮な日々を過ごしていた。ある日、カヤラ領の北では魔物がたくさん出るという噂があると、兵団に所属するアートスから伝えられる。自分の活躍の場もあるかもしれない、とフォンシエは仲間のシーナやミルカとともに向かう。相変わらずの賑やかな日々の中で、フォンシエには悩みもあった。村人だから、と共同体に加入するのを避けていたため、明確な役割も存在せず、自分にできることはなんなのか、考えずにはいられなかった。力を手に入れつつあるとはいえ、村人は勇者にはなれないのだった。
迷宮三十三階層。本来、冒険者の試練となる六本首の魔物ヒュドラーは、謎の男によって人知れず蹂躙されていた。最後に斬り飛ばされた首は人間の少女の形を取り、やがて少女ームドラは目を覚ます。ムドラはわずかに残された記憶を頼りに、迷宮を彷徨い始める。一方リルドールは、コロネル、ヒィーコとともに順調に迷宮を攻略していた。縦ロールを動かす魔法を使いこなして敵を薙ぎ倒していくうち、道中でムドラと出会う。服はボロボロ、そしてコロネルに抱きつくように駆け寄ってきたムドラを見て、悪漢に襲われたに違いないと、三人は正義感に燃えるのだがー。