2017年4月28日発売
奇妙な共同生活を始めた野良犬騎士アルトと小さな魔女ロザリン。大人と子供とはいえ二人が同じ部屋で暮らすのには問題がある。かざはな亭の風紀を守る為、またはカトレアの嫉妬心をこれ以上暮らせないため、アルトは新たな住まいとロリコン疑惑からの脱却を求めて、能天気通りの顔役で冒険者ギルドの頭取を頼ることにした。しかし、これが不運にもアルトの今後を左右する厄の糧となってしまうのだった。新しい住居を提供する条件として、アルトは頭取からある頼み事を依頼されるのだがー。
魔物がはびこり、農民ですら鍬を手に戦わねばならなくなった時代。15才になると女神と契約し、特別な加護ースキルと職業を得るとされていた。孤児の少年フォンシエは、魔物の襲撃を受けて燃える都市で逃げ惑っていた。大人たちはすでに逃げ出し、辺りにいるのは魔物ばかり。幼い彼は、大人は誰も助けてはくれないのだと恨みながらも、ただ生き延びるために足を動かすので精一杯であった。やがてフォンシエは安全な場所に潜んだところで、狐の獣人である少女フィーリティアを見つける。フィーリティアが魔物に襲われるのを見たフォンシエは、恐怖心との葛藤の末、敵へと挑みかかるのだがー。
クロエは侯爵令嬢でありながら、おしとやかとは正反対の性格。宰相である祖父の後押しを受け、女騎士の道を邁進中。だが、そんな彼女に縁談が!相手は、悪政で国民を苦しめた前王を廃し、新王となったアルセニオス。クロエは反発するものの、命を狙われている彼を守るためのかりそめの婚約だと言われて納得する。使命感に燃えるクロエと、猪突猛進な彼女に翻弄されるアルセニオスは…?
王立探偵は、王家の利益を図り不始末を揉み消す、王家お抱えの探偵。たとえ逃がしたペットの捜索でも、愛人との別れ話でも…。その仕事のひとつに、呪いとも言える不思議な力を持ち“過ちの魔物”と呼ばれる物具を調査することがある。紫ずくめのインチキ魔術師のような恰好をした王立探偵シオンは、助手の少女ラナと共に、血の涙を流す肖像画を調べるため地方の伯爵家に向かったが?