2021年12月17日発売
青春は美しくない。私の場合もそうだった。二年B組に現れた転校生。校内で発生した密室。それらを起点として動き出す、不可解な連中。コスプレを通して自己変革する少女。ぐちゃぐちゃに虐められる少女。人間しか食べられない少女。ドッペルゲンガーに襲われた少女と、その謎を追う使えない男。そして…予言者達。私は連中の巻き起こす渦に呑まれ、時には呑み込んで驀進を続けた。その果てに用意されていたのは、やはりあの馬鹿げた世界。…予言。あの時の私は、それで何を得たのだろうか。ま、別に知った事じゃないけどさ。
お疲れサラリーマンである梶野の家に入り浸る、ギャルなJK香月乃亜。お隣さんでもある彼女は、毎日梶野の匂いを嗅ぐことに夢中だ。乃亜が慕っている大人はもうひとり。花野日菜子ー梶野の会社の後輩で、24歳の美人OL。仕事のデキる優秀なデザイナーで、人望も厚い。そして乃亜の恋のライバルでもある。一見完璧に見える彼女だが、決して他人には明かさない、黒歴史を抱えていた。彼女の過去のあだ名は「ヒナミチ」。赤く染めた髪を振り回し、毎日アロハシャツで学校に登校する不良だったのである!!
区役所福祉生活課支援第一係長中田忍は、あるひとつの悪徳を犯している。穏和な生態と柔和な笑顔がかわいい、言葉の通じぬ異世界エルフ“アリエル”を秘密裏に保護し、生かし続けていることだ。果たすべき日々の業務に加え、それぞれの協力者たちの思惑、立ちはだかる戸籍問題、さらにはアリエルとの穏やかな暮らしすらも、忍の罪悪感を苛み、責め立て、忍の信義を惑わせる。そんな中、クリスマスの近づくある日、区役所へ謎の幼女が現れる。「はじめまして、ぱぱ!」と元気に叫ぶ彼女を、忍は迷わず警察へと突き出すが…。
サキュバス王ーそれはかつて性の理想郷を作り上げた魔族の名。大規模テロをなんとか鎮圧することに成功した晴久たちだったが、「国内に封印された最後のパーツが奪われる」という予言によって事態はなお好転しない状況にあった。退魔師サイドはそのパーツの護衛に、十二師天にも匹敵する実力を備えた晴久たち一向を派遣する。セックスアルカディア再建という目論見も明らかになったなか、サキュバスパーツ争奪戦は、もはや神族・魔族の問題にまで発展していた。いま日本が所有する最後のパーツを巡り、種族の壁を越えた争奪戦がはじまるー!