2021年9月22日発売
著名な魔女の娘でありながら、魔法が使えない「失くし者」の帆香。姿を消した母の手紙に導かれ辿り着いた「レンタル屋」で、月額9万8000円と引き換えに魔力を手にする。母の面影を追い、憧れの魔法学園に入学したものの、クラスメイトが「失くし者」に向ける視線は冷ややかだった。そんな中、生徒が次々と魔力を奪われる謎の事件が勃発。疑いをかけられた帆香は、レンタル屋の息子・千夜と共に自ら犯人捜しに乗り出すー!現代の勤労魔法少女が贈る、新たな学園ファンタジー開幕!
もうじき桜が咲きそうな三月の浅草。葵の父・義和に二人の交際を認めさせるため、決意を新たにする栗田。そんな折、二人は想像もしない事件に巻き込まれてしまうー。向かった先は、古都・京都。なんでも、鳳凰堂の支店でとある謎めいた事件が起こったのだという。居ても立っても居られず、新幹線に飛び乗る葵たちだったが…。花冷えのする京都で繰り広げられる、人と和菓子をめぐる大騒動。それは、やがて散る桜のように、鮮やかさと儚さをあわせ持っていてー。
入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきたー。大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。
死は平等である。富める者にも貧しき者にも。だが時に異形となる哀れな魂があり、それを葬る少女がいた。モリア=メメント。かつて術師の血を継ぐ王族の姫だった娘。特別な力をもち、今は刻渡りの死神シヤンとともにあるものを捜し旅をしていた。シヤンのもつテンプス・フギトの時計に導かれ、あらゆる時と場に彼らは出向く。現代ニューヨーク、17世紀パリ、時代と場所が変わっても、そこには必ず、死してなお悪夢を見続ける悲しい亡霊たちがいたー。