松本清張原作を青島幸男主演で映画化した社会派サスペンス。選挙資金を持ち逃げされても告訴できない義兄と、その金で建てたモーテルを燃やされても偽名のために告訴できない弟。揺れ動く彼らの運命をスリリングに描く。
60年安保闘争で揺れる当時の状況が、大島作品のなかでもっともダイレクトに反映されている。封切わずか4日で上映中止になった問題作で、監督が松竹を去ったきっかけとも言われる。