音楽むすび | 制作・出演 : キム・ヨンジャ

このメンバーで、この選曲で……アジアの歌声はレコード会社の枠をも超えて……“ドリーム・エディション・シリーズ”とは言い得て妙。演歌というよりは心情歌揃い。うまさはもちろん、歌の“醍醐味”つまったアルバムって感じで、黙って聴けばキモチが満腹に。

2枚組のオリジナル・ヒット集。燃え上がろうとする感情を抑えた歌いだしから、はじけるように情熱がほとばしるサビまでの流れのうまさに魅了される。ポップなバラードから演歌まで幅広いレパートリーにも圧倒されるはずだ。

この人の場合“純演歌”よりムード歌謡系の方がハマるのではないだろうか。土臭さで押すより、ポップスの味つけで少し引き気味にうたってくれると、彼女のスケールの大きさがもっと出ると思うのだが…。全14曲聴き通すと、はっきり言って力負けします。

いかにも演歌といったサウンド・アレンジの曲を、耳の奥のどこかに異質感が残るキムのヴォーカル・スタイルによって超えていく。表情の深い歌声により、元歌が提示したこじんまりした世界から飛び出してしまう瞬間があり、歌声の説得力を再発見。

韓国の80年代における歌謡曲復活に大きく貢献した演歌系女性歌手のヒット・セレクション第2集。チョー・ヨンピルと並んで日本でも人気の高い歌い手だけに、しっとりと艶のある声の味わいが格別だ。「釜山港へ帰れ」ほか韓日両国語を織り混ぜた全12曲収録。