音楽むすび | 制作・出演 : デズリー

マイペースのUKフォーキー・ソウル派、4年半ぶりの4作目。ジョーン・アーマトレイディングあたりを根っこに置く、ひんやりとした手触りを持つ自立型シンガー・ソングライター表現。しっとりと、等身大に。プロデュースはフェンリー・クェイのアルバムをプロデュースしているマンナ・プロダクションのお二人。

代表曲にリミックスを加えたベスト・アルバム。エレクトロニクスを駆使しプロの技を終結した隙のないサウンド・プロダクション、大胆にチャレンジするリミックスでさえも、静かに確実に聴くものの聖域に染み込む奇跡的な“声”の前ではタジタジだ。

映画「ロミオ&ジュリエット」で、本人も画面で歌った「キッシング・ユー」がヒットして幅広く知られるようになったが、もともと、異国情緒が漂うそのしなやかな歌声で個性を発揮してきた女性シンガーだ。選曲、演奏を含めて絶妙なバランスで聴かせる。

デビュー作も良かったけれど、2ndはそれ以上。知的で自分のポリシーをしっかり歌にも投影できていて、とにかく奥深い世界を持っているシンガー／ソングライターだ。飾ることもなくナチュラルスタイルで歌う母性愛に、思わずホロリときてしまいます。

ロンドンのソウル・シンガー。バックはシンプルなアコースティック・サウンドだ。そのサウンドと総合的なムードから、シャーデーやトレイシー・チャップマンが引き合いに出されることが多いが、私はバラードでの内省的な歌に、吉田美奈子を思い出した。