制作・出演 : デヴィッド・ヘイゼルタイン
豪快なテナー・サウンドで人気を獲得したスチュワートがソニー・ロリンズをトリビュート。お馴染みの曲が流麗で力強いブローによって演じられる。これぞ現代ニューヨーク・ジャズの精髄。ヘイゼルタインのバックアップもあっぱれの一語に尽きる。
これぞテナー・サックスによる伝統的ジャズ・バラードの世界。切々とメロディを歌い上げるプレイに胸が熱くなる。「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ」はラテン風ミディアム・ファーストで演奏しているところが新味。ギターのP.バーンスタインも好演
武蔵野音大出身、都内のライヴ・スポットを中心に活動している女性歌手。これはセカンド・アルバム。デヴィッド・ヘイゼルタインをはじめとするニューヨークの精鋭たちをバックにスタンダードをじっくり、丁寧に歌っていて、すこぶる好感度。歌も演奏も素晴らしい。
スタンリー・タレンタインの「シュガー」からスタート、コルトレーン・ライクな「マイ・フェイバリット・シングス」、ソニー・ロリンズの代表曲「エアジン」など、ファンのリクエスト曲を勇猛果敢に演奏しているストレートアヘッドな作品。エリックの魅力全開。
「遥かなる影」はジャズメンが採り上げることも多いバカラック作品。手馴れたように見えてもこの曲もなかなかジャズになりにくい。「アルフィー」はお馴染みの作品、題材を離れたソロ・パート部分では十分すぎるほどハードなのが彼らしいしたたかさ。
ホレス・シルヴァーのトリビュートからビル・エヴァンスの愛奏曲集を経て、超絶技巧のバド・パウエルのオリジナルに挑戦。ヘイゼルタインのリラックスしたプレイで、難解なバドの曲をわかりやすく再構築している。
ヘイゼルタインのしたたかさを見せつけたバド・パウエル作品集。しかも、あえてパウエル的な手法を駆使することなくオリジナリティを確立させようとする意図が感じられる。バドの“色”のみを抽出した自信作(10)がもちろん一番の推薦曲だ。★