制作・出演 : 六代目
六代目三遊亭圓生によるか「掛取万才」「鰍沢」のニ寄席を、ダイレクトに収録した本作。お囃子の音色から導きだされ始まっていく圓生の語り。その表現豊かな声の表情により、いつしか話の世界へ身を投じている自分に気付くはず。これ、かなり面白いわ。
圓生が晩年(75〜76年)にスタジオ録音したシリーズのCD化。圓生は笑わせる芸ではなく、江戸の人情噺の粋のワンダーランドである。それぞれに「芸談」が付いている。噺の長い「火事息子」では返りマクラがあり、彫りもの(刺青)解説をやっている。
六代目三遊亭圓生の巧みな話芸を収めた圓生百席シリーズ第一弾。江戸時代のケチをユニークに描いた74年録音の「一文惜しみ」、映画『幕末太陽伝』の元筋、75年録音の「居残り佐平次」を収録。江戸訛りを取り入れたり、セリフのひとつひとつが味わい深い。
昭和の大名人、圓生による古典落語全集のCD化第2弾。オレがいうのもおこがましいが、このヒトの噺からは江戸文化のイキな部分がヒシヒシと伝わってくる。ちなみに「鶉衣」は宇野信夫作品。篠山紀信によるジャケット写真も最高で御座います。
絶頂期の録音で、芸に対する自信がひしひしと伝わる。『鰻のたいこ』は八代目文楽の十八番として知られるが、圓生は野だいこの一八が例の客に会うまでの過程をカットせずに演じている。文楽と圓生の、噺の刈りこみ方の違いがわかって面白く聴ける。
晩年のスタジオ録音による全集もの、『圓生百席』のCDリイシュー。ていねいな語り口はスタジオ録音でさらに際立つ。うまいです。きっちり聴かせます。「このディスクの内容は伝承古典落語ですので、現社会には実在しません」という但し書きがご時世だねェ…。
さらっと噺のなかで松鶴自身の引導鐘をつかせようとする「天王寺詣り」。酒飲みのもっと飲みたいという心理を描く「猫の災難」。73年と74年の録音で、得意の演目だけにあのしゃがれ声による展開のなめらかにして、実にいいテンポ。脂の乗った松鶴がいる。
実は上方落語にとんと縁のなかった私だが、この人の落語は語り物として聞いても素晴らしい。悪ガキに手を焼く親父の姿を描いた(2)など、ほとんど河内音頭の軽妙な語り部分に通底する。河内家菊水丸の古典が好きな聞き手(私もそうだが)にぜひ勧めたい。