制作・出演 : 安ヵ川大樹
このアルバムは彼のオリジナル・レーベルからで2作目となる。取り上げたのは映画から12の名曲プラス・オリジナル1曲。このオリジナルが彼のイメージどおりの素敵な出来上がりとなり、12の名作に伍して遜色がない。バックの演奏も含めてとても誠実な作りであり完成度の高い作品と感じた。
ニューヨークで長く活動していた女性ピアニストによる“愛”をテーマにしたリーダー第3作。安ヵ川大樹の表情豊かな力強いベースに支えられ、落ち着いたなかにキラリと光るセンスのあるピアノを披露している。全体の半分以上をオリジナルで占める作曲力の高さにも注目。
新世代ピアニストが、安ヶ川大樹と加納樹麻のレギュラー・トリオで録音した、4年ぶりの第2弾。オリジナルやスタンダードなど素材を幅広く求め、清廉なタッチと瑞々しい感性でさまざまな色合いの物語を紡ぐ。その豊穣なるリリシズムは、まさにピアノの詩人。
5枚目のアルバムは日本人オンリーのトリオ編成にて。映画のサントラにも使えそうな「時の砂」では柔軟な作曲能力を、「マッド・クラブ・パーティ」や「地球は愛で浮かんでる」ではイマジネーションあふれるプレイを。パウエルを自分なりに再編集した「パウエル・サークル」や、変拍子を盛り込んだカヴァー「残酷な天使のテーゼ」は、この世代だからこそ。
日本を代表するジャズ・ドラマー大坂の、7年ぶり6枚目となるリーダー作は広島でのライヴ。曲ごとに、影響を受けたミュージシャンに敬意を表するという選曲で、熱心な聴衆を前に、全員が一丸となって熱演を披露。小池のテナー、海野のピアノも快調だ。
のっけの(1)から縦横無尽に暴れまくる竜巻のような荒々しさ。かと思えば、(3)では美しくも力強いプレイを聴かせ、(9)では大らかで慈愛に満ちたテーマを響かせる。AGトリオの持つアグレッシヴさと懐の深さが、ライヴ録音のおかげでさらにスケールを増している。
10曲中8曲がオリジナルというデビュー・アルバム。正統派のジャズなるも、常に微妙な強弱を意識したタッチと、リリカルなフレージングに才気を感じる。切なメロのテーマが響くワルツの(4)は、「ワルツ・フォー・デビー」にも勝るとも劣らない名曲かも。
デビュー10年を迎えた木住野のアルバム。メンバーを二つのトリオ編成に振り分け、(9)は安カ川とのデュオ、(10)ではソロも披露。選曲はジョビン、ポーター、バカラックからビートルズまでオール・スタンダードで固めたが、(2)をいきなり変拍子で聴かせるところもたまらなく良い。★