制作・出演 : 小川典子
ベリエル/組曲「フレセの花々」ベリエル/組曲「フレセの花々」
BIS専属契約記念(?)盤。ペッテション=ベリエル(1867〜1942)はスウェーデンの作曲家で、シベリウスらへの舌鋒鋭い批評でも知られた。この曲集は“子供の情景”的味わいを持った佳曲揃いで“懐かしさ”が一杯詰まっている。小川も繊細なタッチで好演。
オリジナル・ピアノ版によるムソルグスキー作品集オリジナル・ピアノ版によるムソルグスキー作品集
ムソルグスキーのオペラから数曲と「展覧会の絵」(自筆譜に基づく演奏)が収められている。オペラからの曲は、オーケストレーションされる前のピアノ譜によっている。小川典子がムソルグスキーにふさわしい力強くて重い音楽を奏でている。
ラフマニノフラフマニノフ
ゆったり目のテンポ、決して激さない表現。これまでラフマニノフを“情熱”という言葉で括っていた人はこの演奏を聴くといい。髪振り乱さずとも、そのピアノの背後からは充分にロシアの大地が立ち昇ってくる。必ず“通俗”のレッテルを剥がしたくなる名演。
小川典子滝廉太郎から坂本龍一までを弾く小川典子滝廉太郎から坂本龍一までを弾く
これは作曲家が西洋音楽を受容しつつ20世紀日本の政治的、文化的風土の中を生きた結果だ。我々にとって軽くない企画(共感と近親憎悪……)と優れた演奏。松平暁則が含まれないことから解るように、ある種の傾向を持った選曲ではあるが。最近流行の感。