制作・出演 : 空気公団
空気公団の約1年ぶりとなるアルバム。即興感を生かした録音が新鮮な風を感じさせ、作り込まれたサウンドを回避。ナチュラルな温かさにあふれた仕上がりとなっている。季節と平穏が伝わる全10曲を収録。
過去に発売された13曲と未発表曲の1曲を再録した彼らの10周年記念的ベスト・アルバム。冒頭から乾いたドラム、しっとりと伸びやかなアコーディオンとヴォーカルに背筋もピンと、凛とした空気が満ちあふれる。装い(私服)を変えて気持ち良く街へ出る、そんな音楽。★
新メンバー・窪田渡が加入後、初のミニ・アルバム。人への感謝や当たり前に存在するものへの愛情にあふれた作品となっており、空気公団の新たなる機軸が感じられる。それは何気ない情景にやわらかく溶け込み、時のない世界へ僕らを誘う魔法のポップス。★
ほのぼの穏やかなアコースティック・サウンド、という第一印象が注意深く聴いているうちに刻々と変化していくのが空気公団というユニットの面白さだが、本作は最初から「おやっ?」と思わせる肌触りだ。言葉も音もどんどん無駄がなくなっていく。音の響きも良い。
さらさらと心の汚れを洗い流してくれるようだ。それを奥ゆかしくもシンプルな音使いでやってのける。これぞ彼らの為せる技。温かいオルガンと、ひんやりピアノがジワリとマッチ。土台のドラムもトントンと柔らかい。音のぬくもりを感じられる。しあわせ。★
99年の『ここだよ』と比肩する傑作ミニ・アルバムで2002年作品。ポップ音楽において、突き抜けたセンスは高度な技巧よりも重要という好例。クセがあるのに、やさしい感触のメロディ。雲間に射す光のようなコーラスの響き。胸に染みる歌詞。全編に固有の魅力があふれる。★
高い音楽性と独特の活動でインディーズ・シーンに異彩を放ってきた空気公団が、いよいよメジャー・デビュー。これまでの手作り感や身近さに新たな空気感を加えての絶妙な1枚。