制作・出演 : LOVEPSYCHEDELICO
10枚目のシングル。80's風とも思える暗めの打ち込みサウンドにちょっと驚くが、聴き進むうちにとても現代的な気分にさせられた。欧米のトレンドやムードをしっかり踏まえた上で、ちゃんとJ-POPの肌合いに塗り替える旺盛な咀嚼力、そして体力を感じる。
小林武史もそうだが、こういうスタイリッシュなロック・ミュージシャンは時に生真面目な印象が残り、思わず気持ちが揺れ動くことは少ない。それでいて彼らの音楽が“感動的”なのは、フォルムの美しさが群を抜いているからだろう。それがよく分かるベスト盤。
『LOVE PSYCHEDELICO 3』以来初となるシングル。アコギを中心とした浮遊感のある音作りがサイケデリックなムードを醸し出し、“ラブ&ピース”を強調した歌詞も含め、後期ビートルズを思わせるミディアム。新たなヴィジョンを打ち出した重要曲といえる。
2年ぶりとなるサード・アルバムはロックンロールが決して懐古主義へと流れないしなやかさをたたえている。音楽の日常性と風景や感情の彩りが誠実かつ静かに滲み出ているその音と言葉の前では、悦びとかいう大袈裟でない生きることの素敵さを教えられる。★
最後まで安易に派手な展開へとは持ち込まないマイナー調の表題曲は、それゆえ逆に彼らの音楽センスと探求心を浮き彫りに。(2)はローリング・ストーンズ、(3)はボブ・ディランをそれぞれ咀嚼しデリコ節として再構築。当たり前のように高いクオリティにまたもや感服の全3曲。
日本語も英語っぽく歌えてしまう人がいる。アコースティック・サウンドで統一されつつ、全曲違う顔を見せる本作でそれを実感。邦楽テイストを強めつつある彼らだが、初期の武器だった洋楽嗜好が弱まったわけじゃない。音の向こうに乾いたアメリカの風景が見える。
驥足を展ぶ彼らのデビュー以前に書かれたフォーキーなナンバー。5種のパーカッションがシンプルな曲に深みを与えている。オノ・ヨーコの象徴ともいえるグレープフルーツ。(3)のアヴァンギャルドなロックに乗せた、短く強い言葉の反復は、まさしくヨーコの詩のようだ。
洋楽げ(“げ”に傍点)に聴こえるJ-POPの、最先端であると同時に超保守。という離れわざが可能であったことを身(ていうかCD)をもって証明したことが、MY LITTLE LOVERの衣鉢を継ぐこの男女ユニットの功績だろう。それにしても時々お手本に似過ぎとは思うが。
快進撃が止まらないLOVE PSYCHEDELICO、「Free World」に続くニュー・シングル。カップリングのクリスマス・ソングも含め、誰にも真歯のできない格好よさ。
またたく間に人気アーティストになった彼らのニュー・シングルはポカリスエットのCMでおなじみのあの曲! 青い海と空が美しいCMにぴったりの開放的なロック・チューンだ。
ベストではないのに『GREATEST HITS』と銘打たれた1stアルバム。スマッシュ・ヒットとなった「Free World」などを含み、言葉の響きとリズムが一体となったグルーヴ感にあふれた1枚。邦楽っぽくない格好よさがたまらない。