ブラームス:交響曲第4番/ハイドン変奏曲
ワルター/コロンビア交響楽団によるブラームスの交響曲全集のなかでも、この第4交響曲における枯淡の境地、寂寥感あふれる表現は誰にもまねできないものでしょう。巨匠の到達した深遠な世界を、聴き手はこのCDから垣間見ることができるかもしれません。カップリングの「ハイドン変奏曲」も、老巨匠の巧みなスコアリーディングによる各変奏の性格描写が素晴らしいものとなっています。
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ワルターがステレオ録音で残した貴重な録音のひとつ。初期ステレオのため、多少高音がずり上がったような感じがしなくもないが、彼の音楽の前ではそれは大きな問題ではない。なにより推進力の大きな音楽作りが、ぐいぐいと聴き手を引きつけて離さない。 1996/07/21 発売
ブラームス:交響曲全集ブラームス:交響曲全集
80歳を越えた晩年のワルターのステレオ録音。特に晩年の彼の音楽には、穏和な表情の中にどことなく哀感が漂うような、独特の味わいがあった。ブラームスはそんな巨匠の芸風に最もしっくりと馴染む作曲家の1人だったように思う。低音域を充実させたドイツ的なスタイルで、ロマンティックな情感を適度に盛り込みながら、柔らかくたっぷりと歌わせた、スケール感豊かな名演だ。 1996/12/12 発売
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
歌う指揮者ワルターの体質にぴったりのブラームスの2番。明るめの音色でブラームスの自然賛歌をくっきりと描く。2楽章の入りの弦の歌などちょっぴり古風だけど、室内楽のような歌心が伝わってくる。新しいマスタリングの細身の音色には好みが分かれそう。 1999/05/21 発売