音楽むすび | ゾンダー

ゾンダー

ゾンダー

ポーキュパイン・トゥリーのスティーヴン・ウィルソン率いる気鋭のレーベル、
Kscope所属の次世代プログレッシヴ・メタル・バンド、テッセラクトの4thアルバム『ゾンダー』完成!

テッセラクトは、英国の首都ロンドン北西部にあるミルトンキーンズ出身の5人組。
ギタリストのアクル・カーニーを中心に 2003 年に結成された。現在まで繋がるラインナップが完成したのは2007年で、
この頃には早くも後のデビュー・アルバム『ワン』の原型を含む4曲入りデモを制作している。
2010年にデビューEP『コンシーリング・フェイト』、2011年にファースト・アルバム『ワン』をリリースすると、
すぐにメシュガーやペリフェリーなどに代表される“Djent(ジェント)”ムーヴメントのネクスト・ジェネレーションとして
多くの注目と期待が集まる。グルーヴィーなリフと変則リズムによるプログレッシヴ・メタル的要素の中に、
オルタナティヴ的アート性やアトモスフェリックな浮遊感を取り入れた音楽性のテッセラクトは、
早い段階から独自の世界を構築しており、Djent勢の中でも頭ひとつ抜けた存在であった。
ヴォーカリストがダニエル・トンプキンスからアッシュ・オハラに交代し、2013年に『アルタード・ ステイト』、
2014年6月には再びダニエル・トンプキンスが参加し2015年に初のライヴDVD/CD『オデッセイ/スカラ』と
サード・アルバム『ポラリス』を発表、バンドは着実に進化を遂げてきた。

これまでリリースされた3枚のフルレングス・アルバムはどの作品も高水準の内容で、そのエクスペリメンタルな音楽性は
様々なジャンルのメディアやリスナーから高評価を得ている。特にダニエルの復帰作となった前作のサード・アルバムは、
これまでプログレッシヴ・メタル・バンドのSkyhabour、ポップ・ロック・バンドのIn Colourなど、
数多くのバンドやプロジェクトに関わってきた経験豊富なヴォーカリストならではのエモーションを感じさせ、
バンド全体のさらなる成長、広がりをみせた充実作となった。

そして今回リリースされるのは現代プログレの名門、Kscopeレーベル移籍第2作目のアルバム『ゾンダー』だ。
先行シングル「ルーミナリー」で展開されているのは、静と動の輪郭を明瞭にした緻密なアレンジ、
そこにクリーン・ヴォイスと激しい声を組み合わせたヴォーカルが乗ることによって増幅されるエモーションであった。
この1曲だけでもバンドの魅力を最大限に生かしつつ、新たな境地に達しようとするバンドの意欲的な姿勢が見て取れるはず。
テッセラクトが、いよいよDjentの向こう 側に辿り着いたかのような印象すら受ける。

2000年代初期にスウェーデンのエクストリーム・メタル・バンド、Meshuggahのギタリスト、Fredrik Thordendalによる造語として発生し、
プログレッシヴ・メタルから派生したヘヴィ・メタルのジャンルのひとつとして認知されたDjentであるが、
そのジャンルの中でも年月を経て、様々なバンドがそれぞれの進化を遂げてきた。テッセラクトは、先人達が切り拓いてきた
音楽をすべて飲み込み、独自の解釈でアウトプットしている。7弦ギターを駆使し変拍子を織り交ぜた複雑なリズムによって
生み出される独特のグルーヴ、鉄壁のアンサンブルから繰り広げられるエクスペリメンタルな音空間、
そして作品全体を包み込む英国特有の湿り気を帯びた空気感などが、彼らのオリジナリティであり、魅力となっている。
最新作『ゾンダー』は、そんな彼らの魅力が凝縮された、2018年の大注目作である。

【メンバー】
アクル・カーニー(ギター)
ジェイムズ・モンティース(ギター)
ジェイミー・ポストーンズ(ドラムス)
ダニエル・トンプキンス(ヴォーカル)
アモス・ウィリアムス(ベース)

関連音楽

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP