著者 : ジョン・カッツェンバック
「あの男を見たのは一瞬でした。でも、絶対に忘れない」家族を仲間をナチに売った冷酷な殺人鬼を、今日街で見た!と必死に訴える老婦人。隣人の元刑事サイモンは半信半疑で捜査を始めるが…。ホロコーストの悪夢を思わせるような事件がマイアミで勃発。
影のような男。一切の痕跡を残さず自分を知る者を消していく殺人鬼ーその名はシャドウマン。捜査当局の必死の追跡にもかかわらず男は姿を見せない。今も普通の市民としてマイアミで生きているのだ。やがて、真相を追うサイモンの周辺にも魔の手が忍び寄る。息づまる攻防。
マイアミ市警の女刑事バレンのもとに悲報が届いたのは、深夜だった。最愛の姪スーザンが惨殺されたのだ。犯行手口は女子学生ばかり狙う連続殺人犯のものと一致する。警察は以前からマークしていたアラブ人学生宅で動かぬ証拠を発見、男も一連の凶行を認めた。だがバレンは、残された犯人の唾液に飲酒の形跡があったことを思い出した。イスラム教は飲酒を禁じているー真犯人は別にいるのだ。彼女は単独捜査を開始した
報道カメラマンの顔の下に殺人の衝動を秘めた男、ダグラス・ジェファーズ。彼は、罪もない女子学生アンを記録役にして、かつて自分が殺人を犯した場所を再訪する旅を続けていた。一方バレン刑事は、ジェファーズの弟である精神科医マーティンを訪ね、協力を求めるが…。姪の復讐を誓う女刑事、兄を自首させようとする精神科医、凶行の総決算を目論む殺人者、彼の虜となった女子学生ー大陸を縦断する追跡劇の結末は。
嵐は突然襲ってきた。安定した仕事につき、子供たちと幸せな家庭を築いていた夫婦ダンカンとメガンは、過去からの復讐者によって地獄に引き戻された。ある日、メガンの父親の老判事と息子のトミーが忽然と姿を消した。そして長い間恐れていた女、オリヴィアからの誘拐を告げる電話。かつて学生運動のさなか、ダンカンとメガンは女闘士オリヴィアが率いる過激派に属していたが、銀行襲撃の折に逃走したために彼女は逮捕されてしまった。それから20年あまり、ついにオリヴィアが出所し、復讐に乗り出したのだ。夫婦は反撃に立ち上がる。ティーンエイジャーの娘たちも、祖父と弟のために銃をとった。息づまる対決の時は迫る!ストーリーテラー、カッツェンバックのサスペンス巨篇。