著者 : ダニエル・シルヴァ
イスラエル諜報機関と英国MI6の極秘作戦がリークされたー。西側の貴重な情報源だったロシア人工作員が英国へ亡命直前、暗殺されたのだ。組織内部に潜むロシアの二重スパイ“モグラ”をめぐり、MI6上層部にまで疑惑の目が向けられるなか、やがてガブリエルは敵の真の狙いに気づくが…。同じ頃、アンダルシアでは“赤い女”と呼ばれる老女が事件の鍵となる回想録を綴っていた。
“赤い女”の存在に行き着いたガブリエルはついに裏切り者の正体を知る。思いもよらぬ人物の後継者がロシアのスパイとして、西側情報機関の中枢に潜入していたのだ。冷戦時代の悪夢が蘇る危機的状況にMI6長官から事態収束を託されたガブリエルは、その背後にいる狡猾な敵を欺くべく、決死の一手を繰り出すー。クレムリン最深部で、ひそかに育まれた世紀を超えた策謀とは!?
ロンドン中心部で死者千名を超える無差別テロが発生。首謀者は、数カ月前にワシントンDCで大規模な爆破テロを起こしたISISの大物テロリストだった。MI6から秘密裏に協力を要請されたイスラエル諜報機関のトップ、ガブリエルは、あるフランス人実業家とテロリストの接点に注目し、姿なき敵をあぶりだすため、南仏プロヴァンスでCIA、フランス当局を巻き込んだ合同作戦を始動させるー。
作戦の標的はフランス人実業家の愛人で、元モデルのオリヴィア。ガブリエルは彼女に接近すべく南仏の社交界を舞台に大胆不敵なスパイゲームを仕掛け、テロリストがモロッコに潜伏していることを掴む。そんななか、モロッコの密輸船から化学兵器物質が見つかり、新たな攻撃の予感に各国が戦慄する。カサブランカ、サハラ砂漠…知略躍る攻防の果て、灼熱の地で惨劇の連鎖は食い止められるのか!?
パリで大規模な爆弾テロが発生。監視カメラは瀕死の人々を冷酷に撃ち殺す女の姿をとらえていた。実行犯は黒衣の未亡人と呼ばれるフランス出身の女ー西側に殺されたISIS戦闘員の恋人だった。さらにアムステルダムでも凄惨なテロが起き、この連続爆破事件で友人を失ったイスラエル諜報局のガブリエルはフランス当局と極秘に捜査を開始。やがて姿なき黒幕サラディンの存在が判明し…。
連続爆弾テロ事件の首謀者、ISISのサラディンに迫るため、ガブリエルは大胆不敵な策に打って出た。若きフランス系ユダヤ人の女医を“黒衣の未亡人”に仕立てラッカに潜入させたのだ。それまでの人生を消し去り、復讐に燃えるパレスチナ人となった女は、暗黒の地で斬首より恐ろしい選択を迫られる…。世界の諜報機関をも巻きこむ危険なミッションの先には、未曾有の惨劇が待ち受けていたー!
第二次大戦も終盤を迎えようという1944年。守勢に立たされたドイツ軍の最大の関心事は、大々的な反攻を企む連合軍のフランスへの上陸地点の特定だった。折りしも、国防軍情報部は有力な情報を入手した。ロンドンで、反攻に関する極秘計画“マルベリー作戦”が動きだしたという。早速、潜入工作員キャサリンに、機密奪取の指令が下った!一方、ドイツの動きを察知した英国情報部も、全力をあげ工作員割り出しにかかる。
キャサリンはマルベリー作戦の関係者に接近、入手した極秘情報を本国に送る。だが、イギリス側の欺瞞工作により国防軍情報部が攪乱されていることを知った彼女は情報を直接伝えるため、Uボートでドイツへの渡航をはかる。必死の捜査の末、キャサリンの存在を割り出した英国情報部は、連合軍の上陸地点の露見を阻止すべく必死の追跡を開始するが…ノルマンディ上陸作戦前夜の英独の壮烈な諜報戦を描く、大型冒険小説。
第二次世界大戦も終局を迎えつつあった1944年、劣勢のドイツ側にとって最大の焦点は、連合軍のフランス侵攻、その時期と上陸地点の特定だった。ドイツのスパイ網は、イギリス当局の手により壊滅状態だったが、国防軍情報部を率いるカナリス提督の手元には切り札が一枚だけ残されていた。戦前からロンドンに潜伏されていた潜入工作員、キャサリンの存在だ。カナリスはただちに機密奪取の指令を飛ばす。狙いは、アメリカの情報源から得ていた有力な情報-「侵攻作戦に関わる、極秘の巨大な建築計画が発動」。この計画こそが、鍵になる!イギリス情報部もドイツの動きを察知した。元大学教授で情報工作担当のヴィカリーは、二重スパイを駆使して、正体不明のドイツ側工作員を追い求める。キャサリンが最高機密をつかむが、ヴィカリーが彼女の所在を突き止めるか。戦争の命運を賭けた謀報戦の幕が上がった…。
ついに、極秘の建築計画「マルベリー作戦」設計図の奪取に成功したキャサリンは、イギリスを脱出すべく、Uボートの待つ北海沿岸へと向かう。彼女の持つ情報がドイツ側の手に渡れば、連合軍の最高機密、ヨーロッパ侵攻作戦の上陸地点が暴露されてしまう。必死の捜査でキャサリンの存在を割り出していたヴィカリーは、脱出を阻止すべく、全力を挙げた捜査網を展開、史上最大のマンハントを開始した。だが、戦争前から六年にも渡って潜伏を続けてきたキャサリンの巧妙な行動は、容易にその尻尾をつかませない。嵐の北海に、脱出時刻は刻々と迫る…。ジャーナリスト出身の新鋭が、第二次大戦史上最大の機密、ノルマンディー上陸作戦の秘話に迫る。雄大なスケール、多彩な登場人物で描く本格冒険スパイ小説の自眉。