著者 : デ-ヴィド・ブリン
リンジ・チェン公安委員長による裁判の結果、惑星ターミナスにファウンデーションが設置されるのが確実となった。百科辞典編纂者である全銀河から選抜された10万人の最優秀な人々は、着々と移住の準備をすすめている。これまでセルダン計画を推し進めてきた天才数学者ハリ・セルダンは、その役目をすべておえ、人生の終末期を迎えていた。だが、そんな彼のまえに、ひとりの無名人が現われた。彼は、宇宙気流の分布と混沌世界の分布との一致を発見したと言うのだ。無聊の日々を過ごしていたハリ・セルダンは、それを証明する旅に同行することになる。だが、はじめはほんのささやかな冒険のつもりだったこの旅は、やがてキャルヴィン派とジスカール派のロボット間の抗争、精神感応者のみで構成された惑星ガイア計画。セルダン計画を破壊しかねない混沌世界の誕生など、全銀河の命運をかけた驚くべき冒険の旅へと変貌していった…。
2038年。地球の環境破壊は急速に進んでいた。温室効果によって海面が上昇し、オゾン層の破壊で直射日光を浴びるのは危険な行為となった。人口爆発、緑地の砂漠化、深刻な環境汚染などの問題が山積し、この惑星は一刻の猶予も許さない危機的状況に直面していた。若き天才物理学者アレックス・ラスティグ。彼はマイクロ・ブラックホール生成に取り組んでいた。これが完成すれば、画期的なエネルギー源と 。だが、思わぬ事故が発生。その結果ブラックホールは磁場ケージを離れ、地球の中心にむけて落下してしまった。このままでは、ブラックホールは地球内部の物質を食いつくしてしまう。その結果は、地球の潰滅だ。破局へのプレリュードが響きわたるなかで、アレックスたち科学者チームは母なる地球〈ガイア〉を救うべく、絶望的な戦いに挑んだが…。人気絶頂のデイヴィッド。ブリンが、最新の科学情報とエコロジー的視点を軸にすえ、かつてない壮大なスケールと迫真の筆致で描きあげた近未来スペクタクル巨篇。