著者 : ポール・ギャリコ
ある寒い日、雪のひとひらは生まれた。地上に舞いおりたときから、彼女の長い旅がはじまった。伴侶となる雨のしずくとの出会い、新たな命の誕生。幸福なときも試練のときも、彼女は愛する者のために生きた。やがて訪れた、夫との永遠の別れ、子どもたちの門出。雪のひとひらは、その最期の瞬間、自らの生の意味を深く悟るー。自然の姿に託して女性の人生を綴る、優しく美しい物語。
お金も仕事も失った孤独な少女ムーシュは、言葉を話す七つの人形と出会い、謎めいた一座の長キャプテン・コックと旅と舞台を共にすることに。人形という存在を通して二人の間に芽生える深く純粋な愛の物語を、ストーリーテラーとしての抜群の才能で描いた表題作に加え、著者の名声を国際的にゆるぎないものにした名作「スノーグース」を、矢川澄子による静謐で感受性豊かな名翻訳で贈る、ギャリコ・ファン必携の豪華版。
パラダイン男爵家を脅かす怪現象の数々-ポルターガイスト、うろつく尼僧の亡霊、外から鍵をかけた部屋で夜ごとひとりでに曲を奏でるハープ。さらに悪いことに、客人が幽霊に襲われた!騒動を鎮めるため駆けつけた心霊探偵ヒーロー氏の活躍やいかに?『スノーグース』などで知られる心やさしきストーリーテラー、ギャリコ唯一の長編本格ミステリ、本邦初訳。
ジェリーは23歳、学業半ばにして戦争に駆りだされ、空軍に所属している。大人になりきれないうちに地獄をみてしまった孤独な若者たちのひとり。心は戦争のすさまじい恐怖と不安にひどく傷ついている。故郷には美しい婚約者を残してきているけれど、彼の孤独な魂を癒してくれるのは、別の女性なのだった…。ふたりの女性の間を揺れ動く青年の心理を繊細に描きだす感動の恋愛小説。
雪のひとひらは、ある冬の日に生まれ、はるばるとこの世界に舞いおりてきました。それから丘を下り、川を流れ、風のまにまにあちこちと旅を続けて、ある日…愛する相手に出会いました。ひとりが二人に、二人がひとりに。あなたが私に、私があなたに。この時、人生の新たな喜びと悲しみが始まったのですー。永遠の愛の姿を描く珠玉のファンタジーを、美しい挿画でお届けします。