著者 : 小隅黎
人工小惑星「ポク」でおかしなことが起こっている。機械たちが意識を持ちはじめたらしいのだ。さまざまな噂が飛びかうなか、巨大なドラゴンの姿のなかに鋭い感性と知性を備えた第二段階レンズマン、ウォーゼルの出動が要請された。はたしてこれは画期的な大発見か、それとも新たなボスコーンの陰謀だろうか?レンズマンの世界がここに蘇った。
『インテグラル・ツリー』の冒険から14年の歳月が流れた。大戦乱を生きのびたクィン一族は、スモーク・リングの自由落下状態の大気中を浮遊する“市民の樹”で平和な生活を送っている。その彼らのもとに、意外な訪問者が現われた。-無人と思われていたラグランジュ・ポイントの〈クランプ〉の住民が、遭難して助けを求めてきたのだ。それを契機に“市民の樹”の代表が進んだ技術を吸収すべく〈クランプ〉への遠征を企てるが、その前途にはあまたの自然の脅威と恐るべき敵が立ちはだかっていた。現代ハードSFの巨匠が壮大な舞台設定でスリリングに描くファン待望の続篇。
1974年、世界はかつてない暗黒時代を迎えていた。第二次大戦で圧倒的勝利をおさめたナチス・ドイツが、ヨーロッパはおろかアジアやアフリカ、さらには南アメリカまで支配していたのだ。ナチスの魔手は次第にアメリカ合衆国へと伸び、ふたたび戦争が起こるのは必至だった。そのアメリカに唯一残された最後の希望が《プロテウス作戦》だ。-過去の世界に選りすぐりの工作隊を送りこみ、歴史の進路をねじ曲げて、いち早くナチスの野望を叩きつぶすのだ!かくして《プロテウス部隊》は勇躍時間の流れに飛びこんだが…。人気絶頂のホーガンが時間テーマに挑んだ雄渾のSF大作!
1939年の世界に無事たどりついた《プロテウス部隊》だったが、その前途には暗雲がたれこめていた。アメリカは不況に悩み、ヨーロッパ諸国は、領土拡大の野心に燃えるナチスを見くびって、なんの対応もできないありさまだったのである。《部隊》はまず政界の第一線を退いたチャーチル議員に協力を要請、さらにアインシュタインをはじめとする当代一級の科学者たちと接触して新兵器の開発をいそぐが、ナチスを裏であやつる謎の存在が、次第にその姿をあらわしつつあった…。現代ハードSFの旗手たるホーガンが徹底した調査と大胆な仮説で描きあげた、もう一つの第二次大戦!