著者 : 皇なつき
陰陽師鬼談 安倍晴明物語陰陽師鬼談 安倍晴明物語
そこに立った子は、ふしぎな面立ちをしていた。最近、都で流行りだした舞楽の面のようだった。風が吹くと、赤毛がふわりとふくらむ。異国の香りをただよわせるその風貌には、高貴なたたずまいと、おそろしく異質な妖怪の気配とが同居していた。これからお話しするのは、今をさかのぼる千年前、平安の世で活躍した陰陽師・安倍晴明の秘められた物語である。それでは、長いながい占術の歴史をひもといていくことにしよう…。陰陽道にたいする膨大な知識を駆使して綴られた、安倍晴明の一大物語。
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