著者 : 谺雄一郎
顔のない幽霊顔のない幽霊
“泣き虫”で知られる物書き同心の小田桐左近は、浜町河岸で出会った「顔のない幽霊」が気になって仕方がない。そんな彼のもとに、寄洲へ若い女性の死体が流れ着いた件について余計な詮索をしないよう、上席与力が釘を刺しにきた。不信感を抱く左近だったが、そこに作事奉行の道楽息子が何者かに襲われる事件も起こり…。“人情&痛快”の泣き虫同心シリーズ第二弾。
「泣き虫同心」事件帖「泣き虫同心」事件帖
「あれえ旦那、また泣いておいでなンですかい」-外回りの同心と違い、地味な物書き同心である小田桐左近は、涙もろくて女子が苦手で、ぼやいてばかりの二十六歳。家来の八助やお常婆さんからも、いつも呆れられている。ある日、橋の下に隠れていた男の子を家へ連れ帰ったのだが、話を聞くと悪党から逃れてきたという。しかも母親はまだ悪党に捕まっているらしい。放ってはおけない左近は…。文庫書き下ろし。
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