ジャンル : ノンフィクション
女友達と横浜ナイトクルーズに参加していた神奈川県警の心理職特別捜査官・真田夏希は、山下埠頭から上がる爆炎を目撃した。翌日、「レッド・シューズ」と名乗る犯人から、市長に対し、カジノ誘致の撤回を要求する犯行声明が出される。捜査本部に招集された夏希は、SNSを通して犯人に接触を試みるが、第2の爆発と略取誘拐事件が発生してしまう。あらゆる手口で翻弄する犯人に、夏希はどう立ち向かうのか。書き下ろし警察小説。
母親の遺品整理のため田舎を訪れた男が、農道ですれ違った般若の面をつけた女ー記憶と時間が不穏に交錯する「面」。離婚で疲弊した女が、郊外の町で見つけた古風な歯科医院、そこに隠された禁忌が鬼気迫る「日影歯科医院」。山奥に佇む山荘の地下室に蠢く“何か”と、興味本位の闖入者を襲う不条理な怪異に震撼する「山荘奇譚」など、生と死のあわいの世界を描く6篇。読む者を甘美な恐怖と戦慄へと誘う、幻想怪奇小説集。
東京で連続放火殺人事件が発生。警視庁分析捜査係の渡瀬敦子はプロファイリングを元に捜査するが、犯行予測を外してしまう。一方、東都放送の土方玲衣は、同級生の敦子を番組で特集しようと企てる。より注目を集めるため、同時期に起きた埼玉の連続路上強盗致死傷事件を調べた玲衣は、二つの凶悪犯罪を結ぶ“あり得ない線”に気づく。協力し始めた二人が執念の捜査で辿り着いた「存在しない犯人」とは。緊迫の報道×警察小説。
富にも人望にも性交能力にも恵まれず、チャイコフスキーを友とし鬱蒼たる公園の管理人として生きる、誰からも羨まれることなき50歳の“わたし”は、ロッカーからまろび出てきた見知らぬ遺体の投棄に失敗し、その冷凍保存に踏み出す。解き放たれた心的外傷が次々に姿を成して管理所を訪れ、恥辱の記憶は踊り、煩悩の連鎖は矮小な舞台を無限の煌めきへと砕き尽くす。著者が20世紀に遺した、文学史上有数に奇妙で、物悲しく、諧謔に満ちた理想宮。
若くして引退した、美貌の奇術師・曾我佳城。普段は物静かな彼女は、不可思議な事件に遭遇した途端、奇術の種明かしをするかのごとく、鮮やかに謎を解く名探偵となる。殺人事件の被害者が死の間際、天井にトランプを貼りつけた理由を解き明かす「天井のとらんぷ」。本物の銃を使用する奇術中、弾丸が掏り替えられた事件の謎を追う「消える銃弾」など、珠玉の11編を収録する。
美貌の奇術師にして名探偵・曾我佳城が解決する事件の数々。花火大会の夜の射殺事件で容疑者の鉄壁のアリバイを崩していく「花火と銃声」。雪に囲まれた温泉宿で起きた、“足跡のない殺人”の謎を解く「ミダス王の奇跡」。佳城の夢を形にした奇術博物館で悲劇が起こる、最終話「魔術城落成」など11編を収録。奇術師の顔を持った著者だからこそ描けた、傑作シリーズをご覧あれ。
幽世で唯一の貸本屋を営むあやかし・東雲を養父とする夏織は、祓い屋の一族という負の連鎖から解放された水明の存在を意識しつつも、今日も本を読みたいあやかしのために幽世と現し世を奔走する。ある日、東雲が何かを隠すような素振りで夏織のもとを失踪!?日頃、ぐうたらな養父にあるまじき行動に夏織は困惑するが、どうやら行き先は「物語屋」という怪しげな職業を生業とする東雲の古い友人・玉樹が絡んでいるようでー。現し世と幽世の狭間を生きる人間とあやかし達の、あったかい幻想郷の物語の最新刊。
実家の寺で日々お勤めに励む僧侶の慧海は、幼い頃からある不思議な能力に悩まされてきた。それは、幽霊を見ることができる霊能力と、身近な人に災難が迫っているのがわかる予知能力。その秘密を知るのは、住職である父と、高校時代からの親友で結婚相談所で働く柴門だけ。ごく普通に暮らしたいだけなのに、今日も寺にはさまざまな騒動が舞い込んできてー。
明治時代の北海道・函館。戦争で負傷した兎月は目覚めると神社の境内にいた。自分のことも思い出せない彼の前に神様と名乗る少年が現れ、死んだことを聞かされる。兎月は修行として神社の用心棒となり参拝客の願いを叶えることに。願いを叶えることで少しずつ生前の記憶を取り戻していき、自分自身の正体を思い出したとき彼はー?小さな神社の神様と元サムライの用心棒が怪異事件を解決していく和風ファンタジー!
兎田パパ親族との顔合わせも済み、婚約を無事認めてもらった鷹崎部長と大家族長男の寧。一段と幸せを噛みしめ、仕事ももっと頑張ろうと張り切る寧だったが、取引先との難しい交渉や、七生の保育園と充功のオーディション問題など頭を悩ませることもいっぱいでー。寧自身の成長と、同居へ向けて家族一丸となって着々と愛を深めていく男系大家族物語Dream編スタートです!
バイクで一人旅に出た大学生の高村慎吾は、山間のドライブインで地元の美女ライダー・山神紗月と知り合い、彼女の村に立ち寄る。ところが、帰り際に土砂崩れがあり、村から出られなくなってしまう。困った慎吾は神社に泊めてもらうのだが、宮司から明日の祭に参加してほしいと頼まれる。その祭は、選ばれた男たちが村の女たちと次々にセックスし、満足させていくという驚くべきものだった。童貞の慎吾は参加を断るが、その夜、寝床に紗月が忍んできて…!?淫らすぎる奇祭に巻き込まれる青年…衝撃の地方エロス!
大学生のソウスケが心底愛してやまないものー美しい球体関節人形が、ある日全身分解された姿で発見された。怒りに震えるソウスケだが、それは狂気の連続殺人事件の序章にすぎなかった。次々に見つかる、人形の身体と混ぜられたバラバラの遺体。次に壊されるのは、人形か、人間か?犯人を追ううちに浮かび上がる、全ての仮説を覆す驚愕の展開にあなたは二度騙される!狂った愛が止まらない、壊れすぎたホラーミステリ!
銀座のクラブのママが殺された。死体の口にはおしゃぶりが、胸には子供をあやすでんでん太鼓が置かれていた。さらに演歌歌手が殺され、この死体の口にもおしゃぶりがあり、胸にはこけしが置かれていた。奇妙な遺留品は、日本各地の子守唄を連想させることに注目した十津川はやがて、「子守唄を守る会」の存在を知る。そして、連続殺人事件は意外な方向に進み始めた。
刑事の麦子は、幼少期の「相手の気持ちになって考えなさい」という母の教え通りに人の意識に入り込む能力を身につけていた。その力が原因の一つとなり、田舎の村でしばらく休養することに。村では、行方不明だったある一家の長男の骨が沼で見つかり騒ぎになっていた。自殺と考えられていたが何か不自然に感じる麦子。事件を調べるうちに複雑に絡み合う村の人々の思いに気づきー。予測不可能なラストが待ち受ける長編ミステリー。
辻井未来は、小学2年生の娘・茉優と二人暮らし。モラハラ夫と離婚し、介護センターで派遣のヘルパーをしている。あるとき、ひとり暮らしの利用者の家に、夜中、何者かが侵入するという問題が起きた。同僚ヘルパーの晴馬が暗視カメラを置いてみることを提案。ほどなく犯人は判明し、最先端のAI機器の便利さに触れた未来は、留守番の多い茉優を心配して、自宅にも導入した。しかし、後日、茉優の姿が突然消えたー。現代に潜む、思いがけぬ危険を炙り出す緊迫のサスペンス!
毎朝出社するたびに俺に「好きです」と告白してくる女子社員がいた。新卒同期の彼女の告白がはじまったのは入社二年目の夏。それから五年続いた告白はある日、終わった。彼女が突然亡くなったのだ。その後、俺は彼女の日記を見つける。そして、その日記が書かれた日に「行ける」ことに気づいた俺は、ある決意をする。やがて知る、彼女の真実とは…。はかなく切ない恋愛小説。
京大生になったばかりの“僕”は、町に馴染めず友人もできずにいた。そんなある日、古びた映画館で清家忠昭に出会い、彼のつてで映画撮影所のアルバイトを始める。そこで清家は美しい女性に心奪われる。だが彼女は三十年も前に自殺した大部屋女優だったー。清冽な叙情とたおやかな文章で綴る、幻想的恋愛小説。
新鋭作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』の映画化が決まった。監督・脚本に選ばれた奇才・小野川充は、かつて世間を騒がせた自殺系サイトとその主宰者・木ノ瀬蓮美の“伝説の死”に異常なこだわりを見せ、執拗に映画と絡めようとする。一方、小野川に依頼されて蓮美の死の謎に迫り始めたライターの今泉知里は、事件の裏に待居と似た男の存在があると気づきー。予測不能の恐怖が待ち受ける、雫井サスペンスの真骨頂!
ジウ・イーリンに請われ、美術展での鑑定のために円生、小松とともに上海を訪れた清貴。優雅な上海滞在のはずが、突然、菊川史郎からニューヨークにいる葵の隠し撮り写真が送られてきた。史郎は葵の身の安全を条件に、清貴にある絵を盗み出すように言う。清貴は葵のため、そして家頭誠司の汚名を晴らすために立ち上がるー上海とニューヨークをまたにかけた2ヶ月連続刊行、第一弾!