小説むすび | ブッデンブローク家の人びと 下

ブッデンブローク家の人びと 下

ブッデンブローク家の人びと 下

一家の、かつての明るい健康な気風は徐々に頽廃的なものに変ってゆく。トーマスにとってとりわけ息子の繊細な心と弱々しい肉体は気がかりであった。少年はわが家の系図を見つけ、その末尾にある己れの名の下に線を引く、他愛ない悪戯心からだったのだが。

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