小説むすび | 無きが如き

無きが如き

無きが如き

著者

林京子

出版社

講談社

発売日

1989年7月1日 発売

原爆投下から30数年、〈女〉は長崎を訪れた。坂の上の友人の家で、人々と取止めない話を交しながら死んでいった友たちや、14で被爆した自らの過去を回想する。日々死に対峙し、内へ内へと篭り、苦しみを強いられ生きる被爆者たち。老い。孤独。人生は静まり返っているが体験を風化させはしない。声音は低く深く響く。原爆を凝視する著者が被爆者の日常を坦々と綴る名篇。

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