純銀のマテリアル
護り、慈しみ、ともに歩む。-それが、唯一の“誓い”。美形一族の末端に生まれ、妖精の加護を受けた“先祖返り”の証ともいえる灰色の髪と目を持つ、日本人の水上久遠。彼はある日、久しぶりに訪れた本家の蔵で、不思議な短剣に触れた。-途端、異世界へ飛ばされた久遠は“ねじれの魔境”と呼ばれる大森林に落ちてしまう。同じ頃、大森林にはシュライツラー王国からの調査団が滞在していた。調査団の一員である神官ドーシャは、傷つき行き倒れた久遠を“棄民”の少年と認識し、周囲の警戒をよそに治療し、手厚く保護するのだったが…。時空を超えたラブストーリーが、奇跡のように今、始まる。