七月七日
1944年6月、多くの民間人を抱えたままサイパン島は戦火に包まれた。日系二世の「ショーティ」は、アメリカ軍の一員として上陸した語学兵のひとりだった。忠誠登録を経て帰属国家を示した彼は、捕虜となって帰属国家を見失う日本人と接し、その複雑な心理を目の当たりにする。捕虜の禁忌に縛られ、不義の罪悪に懊悩する人々にあるのは、いつの世にも通じ、いずれの国にも通じる、社会の構図だった。
関連小説
七月七日七月七日
「日本人の子として恥じぬよう、アメリカのために全力を尽くす!」日系二世語学兵の、栄光なき孤独な戦い。第二次大戦末期のサイパンを舞台に描く、古処戦争小説の最高峰。 2004/09/29 発売