小説むすび | 裏切りのXPD(上)

裏切りのXPD(上)

裏切りのXPD(上)

1979年5月、英国首相のもとに1通の文書がとどけられた。そこには1枚の映画広告文が添えられており、コピーには“カイゼローダ塩坑の決定的秘密とはなにか?”と大書されていた。一見して、首相は事の重大さに気づき、M16部長のシドニー・ライデン卿と会見した。塩坑の秘密が明るみにでると、大英帝国の威信は失墜し、ひいては自由主義世界をゆるがすことにもなりかねないのだ。アメリカにさえ知られてはならない。ライデン卿の密命をうけて、ボイド・スチュアートがロサンジェルスへ乗り込んだ。白日のもとにさらしてはならない秘密なのだ。〔XPD(Expedient Demise)とは、「好都合な死亡事故」という意味である〕

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