ヒトリコ
深作日都子は小学五年生の時、理不尽なことから熾烈ないじめの対象となった。その時から日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。そんなヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけだった。地元の高校の入学式。小五で転校した冬希の姿がそこにあった。毒親の母を棄て、父とともに戻ってきたのだった。冬希はまったく変わってしまった日都子の姿に驚く。そしてその原因が、自分が飼い、置いてきた金魚と知り…。大人気の青春小説、待望の文庫化。巻末に特別短編収録。