恥辱
二人には、どんな相手にも告白できないほど良心に恥じる過去があったー。母親の自慢だった、何もかも優秀な兄の死に囚われている完璧主義者の女医、三八歳。自分でからだを動すことができず、ヘルパーの手を借りずには生きていくことができない異常な肥満で部屋に閉じこもった皮肉屋、五〇代女性。深刻なトラウマのせいで、他人を信じることができないという孤独を抱えた二人が、人生の歯車を狂わせた先に出会った時…。ベスト北欧推理小説賞受賞実力派女性作家が描く、スリリングなサイコサスペンス、待望の第四弾。
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恥辱恥辱
52歳のケープタウン大学教授デヴィッド・ラウリーは、二度の離婚を経験し、以来、欲望に関してはうまく処理してきたつもりだった。だが、ひとりの教え子と関係をもった時から事態はすっかり変わった。胸高鳴る日々も束の間、その学生から告発されて辞任に追い込まれてしまったのだ。仕事も友人も失ったデヴィッドは、娘がきりもりする片田舎の農場へ転がり込む。誰からも見捨てられた彼を受け入れてくれる娘の温かさ、自立した生き方に触れることで恥辱を忘れ、粉砕されたプライドを繕おうとする。だが、ようやく取り戻したかに見えた平穏な日々を突き崩すようなある事件が…。転落し、自分の人生を見つめ直すことになった男の審判の日々を描く。この作品で二度のブッカー賞に輝く不世出の作家が贈る、落ちゆく人生を彷徨う男の物語。 2000/11/30 発売