小説むすび | 三世桂三木助

三世桂三木助

三世桂三木助

出版社

新潮社

発売日

1997年11月15日 発売

三木助についちゃあ、話せないことの方が多いよ、特に若い頃は。当時高座名より“隼の七”って名で通ってた。鉄火場での渾名だよ、丁半賭博。そのうち踊りの師匠になっちまって、そこで後のおかみさんと知り合ったんだ。この人と出会ってなけりゃ、どうなったかわからない。芸も人気も上り坂だなと思ってたら、死んじまった。あっけなかったな。敵も多い人だったけど、腰が低くて憎めない感じだった。小兵だが、男前でね-。「芝浜」の名人芸で知られた噺家の生と死。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP