小説むすび | ノーラ・ウェブスター

ノーラ・ウェブスター

ノーラ・ウェブスター

教師の夫を突然亡くしたアイルランドの専業主婦、ノーラ・ウェブスター、46歳。娘二人はすでに家を離れたが、息子二人はまだ手のかかる年頃だ。事務員として21年ぶりに復職したノーラは、かつての同僚の嫌がらせにもめげず、確かな仕事ぶりで足場を築いてゆく。娘たちには煙たがられ、息子たちともぶつかりがちだが、ひとが思うほど頑固で気難しいわけではない。髪を染め、組合活動に共鳴し、一大決心をしてステレオを買い、やがては歌の才能まで花開かせる。自分を立て直し、新たな生きる歓びを見出してゆくノーラの3年。丹念に描かれた日常生活の細部を辿るうち、思いがけない大きな感動が押し寄せる。アイルランドを代表する作家が母の姿を投影した自伝的長篇。

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