小説むすび | トレ-ナ-

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天才ボクサー藪一也と世界チャンピオンのアルマンド・ケニーの一戦が決定してから、藪のトレーナーを馘になった倉本祐司の独り言が始まった。「これで、終わりだ、藪も、おれも」-この世界戦は時期尚早、ジム会長藤倉の金儲け主義の産物だ。KO率九割を誇るケニーの強打に、藪は壊されてしまう。おれは藪を世界最高の芸術品に仕上げるのだ。そのためには、ボクシングの指導だけではなく、何でもやった。別れさせるために、藪の恋人奈緒を犯しもした。ケニーや藤倉にもおれの夢は潰させない…。『大場政夫の生涯』『拳闘王辰吉丈一郎』の著者が放つ傑作長篇ミステリー。

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