複雑な生い立ちへの負い目、政財界の鬼として一族に君臨する父との軋轢。反逆と挫折を繰り返しながら自らの生きる道を追い求める甫の青春を描く。作家・辻井喬の誕生を世に知らしめた自伝的デビュー作。
「妾の子」と悔蔑した級友を狂ったように殴りつづけた小学校2年生の甫。それは週1回しか家にやって来ない父への無意識の抗議だったのか、それとも胸を病んで臥せっていることの多い母への苛立ちだったのか?複雑な生い立ち、父との軋轢、共産主義運動と挫折、不毛の恋愛、結核の療養ー西武セゾングループのリーダー堤清二が、戦争と混乱の時代を生きた青春を赤裸々に描く。 1989/04/01 発売