小説むすび | 三匹のねずみ

三匹のねずみ

三匹のねずみ

三人のヴェトナム人労働者の死体は見るも無残なありさまだった。眼球は床に転がり、口には切断されたペニスが突っこまれていたのだ。現場に落ちていた男物の財布から、農場主のスティーヴン・リーズが逮捕された。彼には動機もあった。妻をレイプした犯人として、殺された三人のヴェトナム人を告訴したことがあったのだ。裁判でヴェトナム人たちに無罪の評決がくだされたとき、スティーヴンは怒り狂って、「おまえらを殺してやる」と叫んでいた。彼はそれを実行に移してしまったのだろうか?スティーヴンの実直な人柄に接して無実を信じたホープは、レイプ事件を含めた調査にのりだした。だが、事件当夜スティーヴンは自宅で寝ていたという妻の証言にもかかわらず、犯行現場付近で彼を目撃したという証人がつぎつぎと現われた…。現代アメリカ社会における人種対立を背景に、異人種間の恋愛、偏見、憎悪に鋭く切り込むシリーズ問題作。

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