小説むすび | タ-ミナル・ゲ-ム

タ-ミナル・ゲ-ム

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ホテルのエレベータホールで、マリアンはわが目を疑った。壁一面に飛び散った血痕。まわりに巡らされた警察の立入禁止テープ-。しかしマリアンが驚いたのは、そこが殺人現場だったからではない。その状況が、昨夜パソコンの画面上で見た「殺人現場」と寸分たがわず同じだったからだ。壁の形から、血痕の大きさや位置までもが…。マリアンが加入しているパソコン通信ネットワーク「インサムニメイニア」では、仮想現実の街でありとあらゆる娯楽を享受できる。そのひとつが「殺人現場」だ。ここでは毎週、アニメーションで殺人が「上演」されている。しかし、それとまったく同じ殺人が、現実の世界で起こることなど、ありえるのだろうか。仮想現実世界の殺人者が、現実の世界に侵入してきたとでもいうのか。最新のハイテク情報を駆使して、コンピュータ・ネットワーク時代の恐怖を描きだす、驚愕のサイコ・サスペンス。

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