小説むすび | 無法のL

無法のL

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久しぶりの休暇を満喫していたわたしのもとに、家主のヘンリーが相談を持ちかけてきた。数カ月前、心臓発作で急死した近所の老人ジョニー・リーの遺族のため、知恵を貸してくれというのだ。第二次世界大戦中に戦闘機パイロットとして活躍したジョニーを軍人墓地に埋葬しようとしたが、軍には彼の在籍記録は残っておらず、途方に暮れているという。わたしはジョニーの昔の仕事仲間とともに彼のアパートを調べるが、彼が軍に在籍していた証拠は見つからない。ジョニーは嘘をついていたのか。その直後、彼のアパートが何者かに侵入され、さらに、部屋の隠し金庫のなかから古びた鍵が発見された。謎が深まるなか、ある夜わたしは一人の男がアパートからバッグを持ち出す現場を偶然目撃する。わたしは男の後を追うが、それが、行方不明の莫大な金の在り処を探す長い旅の始まりになるとは知る由もなかった。

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