小説むすび | 見果てぬ緑の地

見果てぬ緑の地

見果てぬ緑の地

アイルランド系アメリカ人のヨット・ブローカー、ポール・シャナハンのもとに、四年もの間待ち続けた依頼が舞いこんだ。IRAのために、地中海からアメリカまで船を運ぶ仕事-彼はかつて、IRA暫定派とパレスティナ・ゲリラとの連絡役だった。ところが、四年前に彼がCIAの回し者だという噂が立ち、そのために組織から遠ざけられていたのだ。久しぶりの依頼は、IRAが53基のスティンガー・ミサイルを買うための500万ドルの金貨を、ヨットでアメリカまで運ぶというものだった。500万ドルの資金の出所には、イラクのサダム・フセインの影が見え隠れしていた。折りしも湾岸戦争が勃発しようとしており、フセインは西欧各地でテロを煽動しているらしい。IRAからの見張り役二人とともに金貨を積んだヨットで出港したシャナハンは、しかし意外な行動に出る…。

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