ラスト・ドン
1965年、アメリカ一のマフィア・ファミリーのボス、ドン・ドメニコ・クレリクーツィオは、自分の身近な血縁にあたる二人の子ども、ダンテとクロスの洗礼式を祝ったのち、声明を発表した。「いまから20年後、われわれはすべて合法的な世界に埋没しているだろう。二人の幼な児は、われわれと同じ罪を犯したり、同じ危険にさらされたりすることはないだろう…」だが、ドンの強大な権力を持ってしても、運命の歯車を止めることはできなかった。クロスの父、ピッピの引退後、ファミリーの“鉄槌”的存在となり、生まれもった攻撃的気質を武器に、自らの野心を高めていくダンテ。ラスヴェガスで育てられたのち、ハリウッド女優と情熱的な恋に落ち、幹部の意向を無視して、映画産業にかかわっていくクロス。ふたりの生きる道は、やがて非情にも交わりはじめる…。