小説むすび | 深く息を吸って

深く息を吸って

深く息を吸って

純粋さゆえの破壊的な生を鮮烈に描く、“第二のサガン”、十七歳のデビュー作。わたしの名はシャルレーヌ、十九歳。夜になると静寂と孤独が支配するこの独房での生活も、まもなく二年になる。幼いころからわたしは、いつも何かを恐れていた。学校でも周囲にうまくなじめず孤独だった。生きるのがつらく、喉の奥に何か詰まっているみたいで、息をするのも苦しかった。そんなある日、サラが目の前に現われた。はじめて自分を理解してくれる存在に出会い、わたしは幸せだった。だが、やがて何かが狂いだす。失われた友情を取り戻そうとすればするほど、サラの冷酷さはエスカレートした。そして、長くつらい日々の末、わたしはある決心を固めるが…。傷ついてもなお突き進まずにはいられぬ思春期を描き、全仏を騒然とさせた衝撃作。

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