小説むすび | 遺す言葉、その他の短篇

遺す言葉、その他の短篇

遺す言葉、その他の短篇

作家だった父が亡くなった。遺品整理のため訪れた部屋では、掛け時計や茶漉し、冷蔵庫の扉など、あらゆるものにメモが貼られていた。そして膨大な蔵書の数々にも、教訓めいた警句や皮肉、回想などが書きこまれている。いったい父は何を意図したのか、そして彼が遺したものはなんなのか?時間の不可逆性について考えさせるネビュラ賞受賞の表題作はじめ、会社での成功のため昆虫の遺伝子を組み込んだビジネスウーマンを描く「中間管理職への出世戦略」、現実とネットワークが半同一化した社会を女の子が冒険する「コンピュータ・フレンドリー」(いずれもヒューゴー賞ノミネート)など、SFにとどまらずファンタジイ、ホラー、政治小説など多彩なジャンルの12の物語を収録し、著者ならではの奇妙でどこか優しく、周縁的な視点を示した短篇集。

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