小説むすび | 時の眼

時の眼

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2037年、国連平和維持軍の英国人ビセサ、アメリカ人ケイシー、アフガニスタン人アブディカディルは、パキスタンとアフガニスタンの国境地帯をヘリコプターで監視飛行中、ゲリラの攻撃を受け、見たこともない砦の近くに不時着する。そこは、1885年の大英帝国領インドのジャムルド砦だった。砦には、英国将兵のほか、アメリカ人記者ジョシュ、のちに大作家となる若き英国人記者キプリングがおり、百万年前に絶滅したはずの猿人までが捕まえられていた。さらに、紀元前4世紀のアレクサンドロス大王の軍団が砦に迫りつつあった。いっぽう、2037年に国際宇宙ステーションからソユーズ宇宙船で帰還中の宇宙飛行士たち、ロシア人のムーサとコーリャ、アメリカ人セーブルは、通信途絶のため地上からの支援が受けられなくなっていた。やむをえず自力で着陸した三人が到着したのは、チンギス・ハンの支配する13世紀のモンゴルだった。地球は恐るべき天変地異「断絶」により、200万年にわたるさまざまな時代と土地がキルトのようにつぎはぎされていた。しかも、その異変とともに出現した無数の銀色の球体“眼”が、すべてを観察しているかのように空中に浮かんでいる。この“眼”の正体とは…そして「断絶」はなぜ起こったのか?英国SF界の新旧ふたりの巨匠、クラークとバクスターが、『2001年宇宙の旅』に始まる「宇宙の旅」シリーズを新たな角度から描く「タイム・オデッセイ」シリーズ第一弾。

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