小説むすび | 火星の挽歌

火星の挽歌

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2069年2月、19年間の人工冬眠から覚醒させられた英国陸軍の元兵士ビセサは、世界が驚くべき状況下にあることを知らされた。2042年に魁種族によって引き起こされた太陽嵐を、人類は壮大な計画を実行に移して、なんとか生き延びた。だが、その27年後、人類の文明を凌駕する知識と力をもつファーストボーンが新たな攻撃をしかけてきたというのだ。Q爆弾と名づけられたファーストボーンの武器は、何年も前に太陽系外から地球をめざして進みつづけており、21カ月後には地球に到達する予定なのだった。この非常事態に対処するべく、世界宇宙評議会などの組織が動きはじめていた。冷凍睡眠施設から出たビセサは、娘マイラとともに地球外をめざす。いっぽう、過去200万年の歴史上のさまざまな時代の断片がつなぎあわされている、もうひとつの地球ミールにある神殿でも、異変を告げる事件が起こっていた。ビセサが残していったフォンが呼びだし音を鳴らしはじめたのである。バッテリー切れを起こしていたはずのフォンに、いったいなにが起こったのか…?太陽系に住む人類を襲う苛酷な試練と、その苦難に立ち向かう人々の活躍、ふたたび旅だったビセサの壮大な冒険行を、英国SF界の新旧ふたりの巨匠が練達の筆致で描く長篇SF。巨匠クラークとバクスターが、『2001年宇宙の旅』に始まる“宇宙の旅”シリーズを新たな角度から描いた“タイム・オデッセイ”三部作、待望の完結篇。

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