小説むすび | レイラの最後の10分38秒

レイラの最後の10分38秒

レイラの最後の10分38秒

1990年、トルコ。イスタンブルの路地裏のゴミ容器のなかで、一人の娼婦が息絶えようとしていた。テキーラ・レイラ。しかし、心臓の動きが止まった後も、意識は続いていたー10分38秒のあいだ。1947年、息子を欲しがっていた家庭に生まれ落ちた日。厳格な父のもとで育った幼少期。家出の末にたどり着いた娼館での日々。そして、居場所のない街でみつけた、“はみ出し者たち”との瞬間。時間の感覚が薄れていくなか、これまでの痛み、苦しみ、そして喜びが、溢れだす。トルコでいま最も読まれる女性作家が描く、ひとつの生命の“旅立ち”の物語。

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